ホラーを買う前に怖さを確かめたい。よく見る答えは「体験版で試せばいい」です。
実際に調べたら、その手が使える作品はほとんどありませんでした。
Steamのホラー14本のストアデータを確認したところ、体験版が配信されているのは1本だけ(Demonologist)。残り13本にはありません。Lethal Company も Phasmophobia も DEVOUR も、体験版はありません。
では何で確かめるか。Steam自身が申告している情報が使えます。
14本を調べて分かった、確認できる4つ
① 体験版(demos)
14本中1本のみ。期待できない
② 表現の申告(記述子)
14本中8本が申告。何が含まれるかが分かる
③ 申告の注記
8本すべてに具体的な説明文が付いていた。ここが一番中身を語っている
④ ジャンプスケアの記載
書く開発者は少ないが、書いてある作品は明確に書いている
① 体験版は当てにできない
まず数字です。
| 本数 | |
|---|---|
| 調べたホラー | 14本 |
| 体験版があった | 1本(Demonologist) |
| 体験版が無かった | 13本 |
Lethal Company / Content Warning / DEVOUR / Phasmophobia / Mouthwashing / SIGNALIS / MADiSON / Escape the Backrooms / Murky Divers / Sker Ritual / FOREWARNED / Pacify、いずれも体験版はありません。
ジャンルによって体験版の有無は大きく偏ります。当サイトが同時期に調べた他ジャンルでは、10本中4本に体験版がありました。ホラーは少ない側です。
理由は推測になりますが、ホラーは「知らないまま出会う」ことが体験の一部なので、事前に見せることと相性が悪いのかもしれません。
② 表現の申告(コンテンツ記述子)を読む
Steamにはストアページ下部に「このゲームには、一部のユーザーには適さない、または職場での閲覧に適さないコンテンツが含まれています」という欄があります。これが開発者による表現の申告です。
内容は5種類の区分に分かれています。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 1 | 一部にヌードまたは性的表現 |
| 2 | 頻繁な暴力または流血 |
| 3 | 成人向けの性的表現 |
| 4 | 頻繁なヌードまたは性的表現 |
| 5 | 全般的な成人向けコンテンツ |
14本のうち8本が何らかの申告をしていました。残る6本(Content Warning / Phasmophobia / Escape the Backrooms / FOREWARNED / Pacify / スマートフォン)は申告がありません。
申告が無いことは「怖くない」という意味ではありません。流血や身体の損壊といった直接的な表現が含まれない、ということです。Phasmophobia は十分に怖い作品ですが、グロ表現の申告はありません。
③ 注記が一番中身を語っている — 発作の警告まで書かれている
区分の番号より役に立つのが、その下に書かれる自由記述の注記です。申告のあった8本すべてに付いていました。
実際の記載を並べます。
| 作品 | 注記の内容 |
|---|---|
| MADiSON | 光過敏性発作を誘発する可能性があるという警告を含む |
| Mouthwashing | 「極端な暴力、流血、身体の切断、それ以上のもの。PSX風のキャラクターに対して」 |
| Lethal Company | 「現実的な雰囲気。プレイヤーキャラクターは様々な形で死ぬ。一部は身体の切断を伴う」 |
| Sker Ritual | 「暴力、流血、軽度のグロ表現を含む」 |
| Demonologist | 「血、暴力、全般的な成人向けコンテンツ」 |
| Murky Divers | 「現実的で不安な雰囲気。潜む生物の攻撃でプレイヤーキャラクターが死ぬ」 |
MADiSON の発作の警告は、買う前に知らなければならない種類の情報です。光過敏性てんかんのある人にとっては、怖いかどうかではなく健康の問題になります。
Sker Ritual が「軽度の(minor)」と自分で書いているのも参考になります。同じ「暴力・流血」の申告でも、Mouthwashing の「極端な暴力、身体の切断、それ以上」とは明らかに程度が違います。区分の番号だけ見ると同じ扱いになってしまう部分です。
Murky Divers と Lethal Company の注記は、どちらも「現実的な雰囲気」「プレイヤーが死ぬ」という書き方で、グロを売りにしていないことが読み取れます。
④ ジャンプスケアの有無は、書いてある作品もある
「突然大きな音と画像で驚かせる」演出が苦手な人は多いのですが、これを明記する開発者は少数派です。
14本のうち記載があったのは1本でした。
ジャンルはホラーとなりますが、突然恐怖画像が出現するようなジャンプスケアはございません。 ——『スマートフォン』のストアページ
書いてあれば確実な情報なので、ストアページを「ジャンプスケア」で検索する価値はあります。書いていない場合は、この方法では分かりません。
確認表(14本)
| 作品 | 体験版 | 表現の申告 | 日本語 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| Demonologist | あり | 血・暴力 | あり | ¥1,150 |
| Lethal Company | なし | 暴力/流血・成人向け(切断あり) | なし | ¥1,200 |
| Content Warning | なし | 申告なし | あり | ¥920 |
| DEVOUR | なし | 暴力/流血・成人向け | あり | ¥1,200 |
| MADiSON | なし | ヌード・暴力・成人向け(発作警告) | あり | ¥4,100 |
| Mouthwashing | なし | ヌード・暴力・成人向け(極端) | あり | ¥900 |
| SIGNALIS | なし | 暴力/流血・成人向け | あり | ¥1,980 |
| Phasmophobia | なし | 申告なし | あり | ¥2,300 |
| Escape the Backrooms | なし | 申告なし | あり | ¥1,200 |
| Murky Divers | なし | 成人向け | あり | ¥1,200 |
| Sker Ritual | なし | 暴力/流血・成人向け(軽度) | あり | ¥2,600 |
| FOREWARNED | なし | 申告なし | あり | ¥660 |
| Pacify | なし | 申告なし | あり | ¥255 |
| スマートフォン | なし | 申告なし(ジャンプスケア無しと明記) | あり | ¥297 |
返金では確かめられないのか
Steamの返金には購入から14日以内・プレイ時間2時間以内という条件があります。
ホラーでは使いにくい理由があります。怖さが本格的に出てくるのは序盤を過ぎてからの作品が多く、わずか2時間の枠内で判断できるとは限りません。また「怖すぎた」という理由が返金の対象になるかは保証されていません。
条件の詳細はSteamの返金と支払い方法にまとめてあります。返金は保険であって、確認手段ではないと考えたほうが安全です。
Game Guide Scout の結論(条件別)
| あなたの状況 | 確認すべきもの |
|---|---|
| 光過敏性てんかんがある | 記述子の注記を必ず読む。MADiSON のように発作の警告を書いている作品がある |
| グロ表現が苦手 | 記述子の区分2(暴力/流血)の有無と、注記の程度(「軽度」か「極端」か) |
| 驚かされるのが苦手 | ストアページを「ジャンプスケア」で検索。書いていなければ分からない |
| とにかく無料で試したい | 期待しない。14本中1本しか体験版が無い |
| 家族と同じ画面で遊ぶ | 記述子の区分1・4(ヌード・性的表現)を確認 |
| 買ってから合わなかったら | 返金は2時間以内。ホラーでは間に合わないことがある |
怖さの度合いで作品を選びたい場合は、怖くない協力ゲームと監視カメラ系のホラーも参考になります。
ジャンプスケアの無い短編ホラーとしては、『窓のマーク』が該当します。
よくある質問
表現の申告はどこに表示されますか?
ストアページを下にスクロールした先、システム要件の手前あたりに「このゲームには、一部のユーザーには適さない…」という欄が出ます。申告が無い作品ではこの欄自体が表示されません。
申告が無ければ安全ですか?
安全とは限りません。申告は開発者の自己申告で、Steamが内容を検証しているわけではありません。また「怖さ」そのものは申告の対象外です。Phasmophobia のように、申告が無くても十分に怖い作品はあります。
体験版を探す方法はありますか?
そのゲームのストアページに体験版があれば、「◯◯をダウンロード」というボタンが購入ボタンの近くに出ます。ライブラリの検索でも見つかります。ただしホラーでは、この記事で調べた範囲で14本中1本しかありませんでした。
日本語のストアページでも申告は読めますか?
区分の名称は日本語で表示されますが、注記(自由記述)は英語のままの作品が多いです。この記事で引用した注記も原文は英語で、当サイトが訳したものです。
動画を見て判断するのは駄目ですか?
有効です。ただし配信者の反応が入るので、自分が同じように感じるとは限りません。表現の申告は作品そのものの情報なので、動画とは別の材料として使えます。
無料のホラーで試すのは?
Deceit 2 のように無料の作品はあります。ただし無料の作品は多人数対戦型が多く、1人用ホラーの怖さを確かめる代わりにはなりにくいです。





