キャラクターがじりじり右に流れる。メニューが勝手に下へスクロールする。この症状で検索すると「スティックドリフトなので買い替えましょう」という記事が並びます。

買い替える前に、5分でやれる判定があります。原因は大きく2つで、対処がまったく違うからです。

😟 こんなお悩みはありませんか?

  • 手を離しているのにキャラクターが動き続ける
  • 特定のゲームでだけ視点が流れる
  • トリガーやボタンが押しっぱなしの判定になる
  • 以前は問題なかったのに、最近になって出はじめた

✅ この記事で解決できます!

  • Steamのテスト画面を手を離した状態で見る。ここで反応が出ていれば入力そのものが出ている
  • Windows側のテスト画面でも同じことを確認する。両方で出るならSteamは無関係
  • キャリブレーションとデッドゾーンで消えるかを試す。消える幅の大きさが摩耗の目安になる
  • 消えない、または極端に広げないと消えない場合に、はじめて買い替えを検討する

判定の順番

故障か設定かを切り分ける手順
  1. ① Steamのテスト画面を見る 設定 → コントローラー → キャリブレーションと詳細設定 → ジョイスティック。手を離して赤が出るか
  2. ② Windows側でも見る Win+R → joy.cpl → プロパティ → テスト。ここでも動くならSteamの設定は無関係
  3. ③ キャリブレーションを実行 同じ画面の軸ズレ補正。これで消えるなら故障ではない
  4. ④ デッドゾーンを広げる 消える最小の幅を探す。少し広げるだけで済むか、大きく広げないと消えないか
  5. ⑤ ゲーム個別の設定を確認 特定のゲームだけ症状が出る場合。レイアウト側のデッドゾーンが別に効いている

① Steamのテスト画面を、手を離した状態で見る

Steamクライアントの左上から**「Steam」→「設定」→「コントローラー」と進み、「キャリブレーションと詳細設定」を開きます。左のメニューで「ジョイスティック」**を選ぶと、スティックの入力が図で表示されます。

この画面の見方が判定の全部です。

  • 灰色の領域 = デッドゾーンの内側。ここに収まっている入力は無視される
  • 赤い表示 = デッドゾーンを超えて、実際に操作として効いている

項目名は2026年8月時点のものです。色の区別が付きにくい場合は、手を離した状態と倒した状態を見比べて、表示が動くかどうかで判断してください。

手をコントローラーから完全に離した状態で、赤が出ているかを見てください。出ていれば、ゲームが誤作動しているのではなく、コントローラーが本当に入力を送り続けています。

手を離した状態で判定
赤が出る入力が実際に出ている。②へ進む
灰色のまま静止ハード側は正常。ゲーム内設定かレイアウト側の問題。⑤へ飛ぶ

ここで灰色のままだったなら、コントローラーを買う必要はありません。この時点で切り分けが終わる人はそれなりにいるはずで、上位の記事の多くはこの確認を飛ばしています。

② Windows側のテスト画面でも確認する

Steamの画面だけで判断すると、「Steam Inputの設定が悪さをしているケース」を見落とします。Steamを介さない経路でも同じことを確認します。

Win + R を押して joy.cpl と入力し、表示されたコントローラーを選んで「プロパティ」→「テスト」タブを開きます。ここは Windows の標準機能で、Steamとは無関係に生の入力を表示します。

joy.cpl のテスト画面で判定
ここでも十字マークが中心からずれて動くSteamは無関係。ハードウェアかドライバの問題
ここでは静止しているSteam Input側の設定が原因。③④で調整する
ボタンの番号が押していないのに光り続けるそのボタンが物理的に張り付いている

3つ目の行は「押しっぱなしになる」で検索した人向けです。スティックだけでなくボタンやトリガーも、この画面で同じように判定できます。

③ キャリブレーション(軸ズレ補正)を試す

①で開いた「キャリブレーションと詳細設定」には、デッドゾーンのスライダーとは別に軸ズレを補正する機能があります。スティックの中心位置がずれているだけなら、これで直ります。

補正を実行してから、もう一度手を離して赤が出るかを見てください。消えたなら故障ではありません。摩耗ではなく中心位置のずれだった、という結論になります。

④ デッドゾーンを広げる。「どれだけ広げたか」が摩耗の目安

補正で消えなければ、デッドゾーンを広げます。同じ画面で調整したいスティック(左/右)を選び、「デッドゾーン」のスライダーを右へ動かします。

ここで大事なのは、消えればいいというものではないという点です。

広げた幅から分かること

01

少し広げるだけで消えた

摩耗は軽い。この設定のまま使い続けられる。操作感への影響もほとんど出ない

02

中程度まで広げて消えた

使えるが、スティックを倒しはじめてから反応するまでの遊びが増える。細かい照準は不利になる

03

大きく広げないと消えない

遊びが大きすぎて操作が鈍る。ここまで来ると買い替えを検討する段階

04

最大まで広げても消えない

設定では対処できない。ハードの交換か修理

デッドゾーンは「症状を隠す設定」であって「直す設定」ではありません。広げるほど、スティックを倒しはじめてから反応するまでの空白が増えます。FPSで細かく照準を合わせる用途なら、この空白は素直に不利に働きます。だからこそ、どれだけ広げる必要があったかが、そのまま買い替えの判断材料になります。

⑤ ゲーム個別のレイアウトが別に効いている場合

特定のゲームでだけ症状が出るなら、原因は全体設定ではありません。Steamのデッドゾーンは2階層あります。

  1. 全体設定 — 設定 → コントローラー → キャリブレーションと詳細設定
  2. ゲーム個別のレイアウト — ライブラリでそのゲームを選び、コントローラーのアイコンから「レイアウトを編集」→「ジョイスティック」→ スティック横の歯車 → 「デッドゾーン」

全体設定を直したのに1本のゲームだけ症状が残るなら、そのゲームのレイアウト側が別の値を持っています。

さらにゲーム内のオプションにもデッドゾーン設定を持つタイトルがあります。Apex Legends のようなFPSがその代表です。ここに落とし穴があって、Steam側とゲーム内設定の両方でデッドゾーンを広げると、二重に効きます。片方だけを広げたつもりが、実際には想定の倍の遊びになっていた、という状態になりがちです。

調整するときは、どちらか一方に寄せて、もう一方は既定値のままにするのが確実です。

設定で直らなかった場合にやること

判定の結果ハード側だと分かっても、買い替えの前に2つ残っています。

スティックの根元を掃除する。内部にほこりが入って中心に戻りきらないケースがあります。スティックを傾けた状態で根元の隙間にエアダスターを吹く、または無水エタノールを少量含ませた綿棒で拭く、という手当てで戻ることがあります。分解を伴う清掃は保証が切れるので、そこまでやるかは残りの保証期間しだいです。

接続方法を変えて切り分ける。無線で使っているなら有線に変えてみてください。無線特有の受信不良が症状に見えている場合があります。逆に有線で症状が出るなら配線ではなくスティック側です。無線の接続そのものが不安定なら、Steamでコントローラーが切断される問題のほうが該当します。

保証期間を確認する。メーカー保証は1年が一般的です。購入から1年以内なら、買い替えより先に修理・交換の窓口を確認したほうが早く安く済みます。

買い替えを選ぶときの基準

ここまでやって、デッドゾーンを大きく広げないと症状が消えず、掃除でも戻らないなら、交換の段階です。

選ぶ基準は3つに絞られます。PCで挿すだけ認識されること(Steamの公式対応が広いもの)、有線でも使えること(今回のような切り分けが後からできる)、そして摩耗しにくい構造かどうかです。

2台目・買い足しの位置づけなら、低価格帯のパッドでも判定手順は同じように使えます。人数分そろえる話はローカル協力プレイの準備にまとめてあります。

よくある質問

デッドゾーンを広げると、操作に影響はありますか?

あります。スティックを倒しはじめてから反応するまでの遊びが増えるので、細かく照準を動かす操作は不利になります。少し広げる程度なら気づかない範囲ですが、大きく広げた状態は明確に操作感が変わります。だから「消えたからよし」ではなく、どれだけ広げたかを見てください。

Steamの設定は、Steam以外で起動したゲームにも効きますか?

Steam Inputを通していないゲームには効きません。Steamのライブラリから起動していないタイトルや、Steam Inputを無効にしているタイトルでは、ゲーム側の設定かWindows側の調整で対処することになります。判定②で joy.cpl を使うのは、この違いを切り分けるためでもあります。

PS4/PS5のコントローラーでも同じ手順ですか?

Steamのキャリブレーション画面もjoy.cplも、接続して認識されていれば同じように使えます。認識はしているのに音声まわりで問題が出ている場合はPS4/PS5コントローラーで音が出ない問題が別件として該当します。

買ってすぐの新品でも起こりますか?

起こります。摩耗だけでなく初期不良でも同じ症状になるので、購入直後なら掃除や設定より先に、販売店やメーカーの初期不良対応の期間を確認してください。

修理と買い替えはどちらが安いですか?

保証期間内なら修理(または交換)がほぼ確実に安く済みます。保証が切れている場合、スティックユニットの交換を業者に依頼すると、低価格帯のパッドを新品で買うのと近い金額になることがあります。手元のコントローラーの価格帯と、残っている保証で決めてください。