Modern Warfare 4 のSteamストアには、こう書かれています。
TPM 2.0 and Secure Boot required, other security measures may be enforced.
スペックがいくら足りていても、この2つが無効だとオンラインで遊べません。 アンチチートがPCの起動時の状態を検証するためです。発売は2026年10月22日。有効化はBIOS操作なので、当日に慌てるより今のうちに済ませておくべき作業です。
ただしBIOS操作は失敗するとWindowsが起動しなくなります。手順の前に、やるべき準備が2つあります。
まず30秒で今の状態を確認する
BIOSに入る前に、そもそも有効かどうかを確認します。すでに有効なら何もしなくて構いません。
セキュアブート — Windowsキー + R → msinfo32 を実行。「システム情報」の右側で
- 「セキュアブートの状態」が 有効 → 対応済み
- 無効 → BIOSで有効化できます(この記事の手順へ)
- サポートされていません → レガシーBIOS(MBR)で入っている可能性。後述の落とし穴を先に読んでください
TPM 2.0 — Windowsキー + R → tpm.msc を実行。
- 「仕様バージョン 2.0」と表示 → 対応済み
- 「互換性のあるTPMが見つかりません」 → 無効か非対応。BIOSで有効化できる可能性があります
- 「1.2」 → 要件を満たしません
同じ msinfo32 の画面で「BIOSモード」も確認しておいてください。ここが「UEFI」であることが前提条件です。「レガシー」の場合は次のセクションが重要になります。
有効化の前にやること(ここを飛ばすと事故ります)
😟 こんなお悩みはありませんか?
- BIOSをいじったらWindowsが起動しなくなった
- セキュアブートを有効にしたらBitLockerの回復キーを求められた
- 設定項目が見つからない
✅ この記事で解決できます!
- BitLocker回復キーを先に控える
- MBRのままUEFI設定を変えない(GPT変換が先)
- メーカーごとの項目名を把握してから入る
1. BitLockerの回復キーを控える
セキュアブートの状態が変わると、BitLockerが「PCが改ざんされた」と判断して回復キーを要求することがあります。キーが分からないとデータにアクセスできません。
設定 → プライバシーとセキュリティ → デバイスの暗号化(またはBitLocker)から回復キーをバックアップしてください。Microsoftアカウントに紐づけている場合は account.microsoft.com/devices/recoverykey で確認できます。
2. ディスクがGPTか確認する
これが最大の落とし穴です。MBR形式のディスクでUEFI/セキュアブートを有効にすると、Windowsが起動しなくなります。
Windowsキー + R → diskmgmt.msc → システムディスクを右クリック → プロパティ → 「ボリューム」タブ → パーティションのスタイル
- 「GPT(GUIDパーティションテーブル)」→ そのまま進めます
- 「MBR(マスターブートレコード)」→ 先に変換が必要です
MBRの場合は、Windows標準の mbr2gpt コマンドで変換できます。ただしこれ自体が失敗するとまずいので、変換前にバックアップを取ってください。ASUSの公式FAQも「MBR環境で先に設定変更するとWindowsが起動不可になる可能性がある」と明記しています。
メーカー別のBIOS手順
BIOSに入るキーはメーカーで違います。ASUS・GIGABYTE・MSIは Delete キー、ASRockは F2 キーを起動直後に連打してください。
TPMの項目名がメーカーとCPUで全部違うのが、この作業を難しくしている原因です。整理します。
| メーカー | Intel(PTT) | AMD(fTPM) | セキュアブート |
|---|---|---|---|
| ASUS | Advanced → PCH-FW Configuration → PTT | Advanced → AMD fTPM configuration → Firmware TPM switch → Enabled Firmware TPM | Boot → Secure Boot → OS Type: Windows UEFI mode / Secure Boot Mode: Standard |
| MSI | Settings → Security → Trusted Computing → Security Device Support → PTT | 同階層で AMD CPU fTPM | Settings → Boot → Secure Boot |
| GIGABYTE | Trusted Computing → Intel Platform Trust Technology (PTT) → Enabled、Security Device Support を Enabled | Settings → AMD CPU fTPM → Enabled(Peripherals タブの場合もあり) | Boot → Secure Boot → Enabled、OS Type は Windows UEFI |
| ASRock | Security タブ → Intel Platform Trust Technology (PTT) → Enable | Advanced タブ → AMD fTPM configuration → AMD CPU fTPM | Security → Secure Boot → Enabled |
ASRockとGIGABYTEはAdvanced Mode に切り替えないと項目が出ません(ASRockは F6、GIGABYTEは F2)。簡易画面のまま探しても見つからないので注意してください。
設定後は F10 で保存して再起動します。
IntelのPTTとAMDのfTPMは同じもの?
役割は同じで、CPUに内蔵されたTPM機能です。物理的なTPMチップを別途載せなくても、CPU側の機能で要件を満たせます。
- Intel = PTT(Platform Trust Technology)
- AMD = fTPM(Firmware TPM)
名前が違うだけで、どちらを有効にしてもWindowsからは「TPM 2.0」として見えます。「TPMチップを買わないといけないのでは」と心配する必要はありません。
うまくいかないときの切り分け
セキュアブートの項目がグレーアウトして押せない CSM(Compatibility Support Module)が有効になっている可能性が高いです。Boot設定の中にある CSM を Disabled にしてください。CSMとセキュアブートは同時に有効にできません。
CSMを無効にしたら起動しなくなった MBRのまま無効にした場合に起きます。BIOSでCSMを元に戻して起動を回復し、先にGPTへ変換してください。
TPMの項目自体が見当たらない BIOSが古い可能性があります。マザーボードメーカーのサポートページから最新BIOSに更新すると項目が追加されることがあります。ただしBIOS更新は停電やシャットダウンで基板が壊れる作業なので、他の手段を試し切ってからにしてください。
有効にしたのにWindows側で認識されない
tpm.msc で「準備完了」になっているか確認してください。表示が変わらない場合は、一度シャットダウン(再起動ではなく完全に電源を切る)してから起動し直すと反映されることがあります。
そもそも対応していない世代だった場合
有効化を試しても項目が存在しない場合、CPUの世代が古い可能性があります。おおよその目安はこうです。
- Intel 第7世代(Kaby Lake)以前
- AMD Ryzen 1000番台以前
この世代はPTT/fTPMを備えていないか、備えていても要件を満たさないことがあります。マザーボードにTPMヘッダー(増設用のピン)があれば別売りのTPMモジュールを追加できる場合もありますが、入手性が悪く価格も安定しません。
正直なところ、この世代のPCはMW4の要求スペック自体も厳しくなります。買い替えを検討する段階と考えたほうが現実的です。
買い替えを考える前に、自分のPCがスペック要件を満たしているかも確認してください。製品版のストアページの要件欄はいまも「TBD」ですが、同時配信されているベータ版のストアページには公式の最低・推奨要件が数字で載っています。
| 最低 | 推奨 | |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit | Windows 11 64bit |
| CPU | Ryzen 5 1600 / Core i5-8400 | Ryzen 5 3600 / Core i7-9700K |
| メモリ | 12GB | 16GB |
| GPU | RX 470 / GTX 970・1060 / Arc A580 | RX 6600XT / RTX 3060 / Arc B580 |
注目すべきは最低要件のCPUです。Core i5-8400 は第8世代で、ちょうどこの記事で「TPMが無いかもしれない」と書いた第7世代以前の一つ上にあたります。つまりTPMで引っかかる世代は、スペック要件のほうもほぼ同時に落ちます。買い替えの判断材料としては、むしろ話が単純です。
メモリの最低が12GBという点も見落とされがちです(過去作は8GBでした)。あわせて、AVX命令セットを持つ Intel / AMD のCPUのみ対応、Intel Arc のGPUは Resizable BAR が必須とも書かれています。
判定の全体像はMW4は自分のPCで動くかにまとめています。発売は10月22日なので、慌てて買う必要はありません。
Game Guide Scout の結論
- まず
msinfo32とtpm.mscで確認 — すでに有効なら作業は不要です - BitLocker回復キーの控えとGPT確認は必須 — ここを飛ばした事故が一番多い
- 項目名はメーカーとCPUで全部違う — 上の表で自分の組み合わせを確認してから入る
- PTTとfTPMは同じもの — TPMチップを買う必要はありません
- 項目が無ければ世代の問題 — BIOS更新を試す価値はありますが、買い替えの検討時期です
トラブル解決の他の話題は協力プレイ環境の作り方にもまとめています。
よくある質問
Q. セキュアブートを有効にするとゲームのパフォーマンスは落ちますか
落ちません。セキュアブートは起動時にブートチェーンを検証する仕組みで、プレイ中の処理には関与しません。
Q. TPM 2.0 のためにチップを買う必要がありますか
ほとんどの場合は不要です。近年のCPUはPTT(Intel)またはfTPM(AMD)として同等の機能を内蔵しており、BIOSで有効にするだけで要件を満たせます。
Q. fTPMを有効にすると音飛びやカクつきが起きると聞きました
AMD環境で過去に報告があった現象です。AMDはBIOS更新(AGESAの更新)で対処済みとしています。発生した場合はマザーボードのBIOSを最新にしてください。
Q. BitLockerを使っていない場合も回復キーは必要ですか
Windows 11のデバイスでは「デバイスの暗号化」が自動で有効になっている場合があります。使っていないつもりでも、設定 → プライバシーとセキュリティ で状態を確認してから作業してください。
Q. MW4以外にもこの要件は必要ですか
近年のCall of Dutyシリーズは同様の要件を課しています。前作『Black Ops 7』も TPM 2.0 とセキュアブートが必須でした。一度有効にしておけば、以降のタイトルでも使い回せます。