モニターアームが届いてから「クランプが入らない」と気づくのが、この買い物で一番よくある失敗です。返品の手間もかかるし、当て木をどうするかを届いた後で考えることになります。

買う前に調べるのは3つの数字だけです。天板の厚み、天板裏の奥行き、モニターの重量。この3つが分かれば、あとは商品ページのスペック表と突き合わせるだけで判定が終わります。下の手順は、その3つを取り違えずに測るための順番です。

上位の記事の多くは「奥行きが足りないときの対処法」から始まりますが、その前に自分の机がどの状態なのかを確定させるほうが先です。対処が要るのか要らないのかも、そこで決まります。

測る順番
  1. ① 天板の厚みを測る 定規を机の端に当てて上下の厚みを測る。10mm未満だと選べる製品が一気に減る
  2. ② 天板の裏を見る 幕板・引き出し・補強フレームがあるか。あるなら位置と厚みを控える
  3. ③ 天板裏の奥行きを測る 机の裏側の手前から、幕板や引き出しにぶつかるまでの距離。5〜6cmが目安
  4. ④ モニターの重量とVESAを調べる 型番で検索。重量と背面ネジ穴の間隔(75mm/100mm)を確認する
  5. ⑤ 商品ページと突き合わせる 対応天板厚・必要な設置スペース・耐荷重の3項目。1つでも外れたら対処を考える

実際の製品6本のスペックを並べました

「だいたいこのくらい」で買うと外れる理由が、並べると分かります。メーカーが公開しているスペック表から、6製品ぶんを実際に拾いました(2026年8月25日確認)。

製品対応天板厚必要な奥行き耐荷重VESA
サンワサプライ CR-LAC1403BKクランプ 10〜50mm / グロメット 10〜45mmクランプ金具の奥行 38mm1〜9kg75/100
サンワサプライ CR-LA180110〜50mm支柱周囲 32mm〜8kg(下限の記載なし)75/100
サンワサプライ CR-LA1702BKクランプ 30〜100mm記載なし〜20kg(下限の記載なし)75/100
サンワダイレクト 100-LAC008W記載なしシンの出幅 最大6mm1〜15kg75/100
グリーンハウス GH-AMCG0115〜88mm奥行108mm以上・幅100mm以上〜8.0kg(下限の記載なし)75/100
グリーンハウス GH-AMCD01クランプ 20〜90mm / グロメット 20〜70mm奥行110mm以上・幅100mm以上3〜7kg75/100

拾ってみて分かったことが4つあります。

1. 対応天板厚の下限が、10mm・15mm・20mm・30mm とばらばらです。「クランプ式は10mmから」という説明をよく見ますが、下限が20mmや30mmの製品が実在します。厚み18mmの机は、6本のうち2本には最初から付きません。

2. 必要な奥行きが 38mm から 110mm まで、約3倍の開きがあります。「5〜6cmあれば足りる」という説明は、110mm必要な製品には通用しません。逆に38mmで足りる製品もあるので、奥行きが取れない机ほど製品を選ぶ意味が大きくなります。

3. 耐荷重の下限を書いていない製品が、6本中3本ありました。下限は「モニターが軽すぎるとアームが上がる」の判定に使う数字です(後述)。書いていない製品は、その判定ができません。

4. VESAは6本すべて 75×75 と 100×100 の両対応でした。3つの数字の中でここが一番詰まりにくい、というのは実データでもそのとおりでした。

この表は「どれが良いか」のランキングではありません。同じ「クランプ式のモニターアーム」でも要求する条件がこれだけ違う、という事実を示すためのものです。自分の机の数字を先に持っていないと、この表のどの列も読めません。

① 天板の厚み — 薄すぎても厚すぎても付きません

机の端に定規を当てて、天板の上面から下面までを測ります。ここは分かりやすい数字です。

上の6本を見ると、下限は 10mm / 15mm / 20mm / 30mm に分かれ、上限は 50mm / 88mm / 90mm / 100mm に分かれていました。「クランプ式は10mmから」で覚えていると、下限20mmの製品を選んだときに外します。

測った厚み判定足りない/超える場合の対処
10mm未満上の6本すべてで範囲外当て木で厚みを足す。それでも無理ならグロメット式へ
10〜15mm下限10mmの製品だけが対象。「10mm〜」と明記された製品に絞る補強プレートを併用してたわみを抑える
15〜20mm下限20mm・30mmの製品が脱落する。この帯が一番取りこぼしやすい対応天板厚を1製品ずつ確認する。当て木で20mm以上に持ち上げる手もある
20〜50mm上の6本のうち5本が対象。ここが標準的な範囲—
50mm超上限50mmの製品が脱落する上限88〜100mmの製品に絞る。超えるものは挟めない

上限を超えている場合も同じくらい詰みます。サジェストに「モニターアーム 天板 120mm」という具体的な検索があるとおり、厚い天板で困っている人もいます。上で並べた6製品の上限は50/88/90/100mmなので、120mmの天板はどれにも入りません。この場合、当て木で足すことはできない(減らせない)ので、対処はグロメット式かポール型への変更に限られます。クランプの開き幅は、薄い側と違って工夫の余地がありません。

厚み15〜20mmの帯を独立させたのには理由があります。ゲーミングデスクやPCデスクの天板は、実測値でここに入ることが多いためです。たとえばサンワダイレクトの100-DESKG002は天板厚1.8cm(18mm)、100-DESKF004は16mmとスペック表に書かれています。どちらも、下限20mmのアームには付きません。

もうひとつ、16mmの100-DESKF004は「モニターアーム対応」と製品名に入っていますが、説明を読むと補強プレート(CR-LAPLT1)の併用が条件になっています。「対応」と書いてあっても、そのまま付くとは限らないという例です。

補強プレートの厚みを心配する必要はほぼありません。サンワサプライのCR-LAPLT1はプレートの厚みが2.5mm(大 W200×D150mm)で、16mmの天板に足しても18.5mm。クランプの開き幅を使い切るような厚さではありません。ただし対応天板厚の記載はこのプレート側には無いので、アーム側の範囲で判断してください。

②③ 天板の裏を見て、奥行きを測る — ここが一番よく足りません

ここが一番見落とされます。測るのは机の奥行き(60cmとか70cmとか)ではありません。机の裏側にもぐって、手前の縁から、幕板や引き出しにぶつかるまでの距離を測ってください。

クランプは天板を上下から挟むので、下側の腕が入るぶんの空間が要ります。上の6本では、ここが38mmから110mmまで開いていました。「5〜6cmあれば足りる」で買うと、108mm・110mmを要求する製品に当たったときに詰みます。

ここが埋まっている机は要注意

01

幕板(まくいた)がある

天板の裏、手前側に補強の板が渡っている机。事務机やデスクトップPC向けの机に多い

02

引き出しユニットがある

天板の直下に引き出しが来ていると、クランプの腕が入る隙間がない

03

補強フレームが手前まで来ている

組み立て式の昇降デスクなどで、フレームが縁の近くを走っている

04

天板が壁にぴったり付いている

奥行きではなく背面側の話。アームの支柱が壁と干渉することがある

サジェストに「クランプ 奥行き 3cm」「5cm」「短い」といった数字入りの検索が並ぶのは、この測定をして足りないと分かった人が調べているからです。逆に言えば、測らずに買った人は届いてから同じことを調べます。

測った奥行き判定足りない場合の対処
11cm以上上の6本すべてが範囲内—
5〜11cm108mm・110mm を要求する製品が脱落する。数値が明記された製品を選ぶ当て木で噛む面を手前に作るか、必要奥行きの小さい製品へ
3.8〜5cmクランプ金具の奥行が38mm級の製品なら付く。該当する製品はある必要奥行き・クランプ金具の奥行を明記している製品に絞る
3.8cm未満クランプ式は難しいグロメット式(配線孔に通す方式)へ変更する。孔が無ければポール型
記載が無い製品を検討中判定できない上の6本でも1製品は必要奥行きが「記載なし」だった。数値を出している製品に替える
幕板・引き出しで埋まっている数字の問題ではない幕板と同じ厚みのブロックを幕板の横に並べ、平らな面を作る

④ モニターの重量とVESA

モニターの型番で検索して、スタンドを外した状態の本体重量を確認します。商品ページに「スタンドあり/なし」で2つ書かれている場合、アームに乗るのは「なし」のほうです。

ここには意外な落とし穴があります。耐荷重は上限だけでなく下限も見る必要があります。

ガススプリング式のアームは、モニターの重さとバネの力を釣り合わせて高さを保ちます。モニターが軽すぎると釣り合わず、アームが勝手に上がってしまいます。多くの製品はガス圧調整ネジで弱められますが、調整範囲を下回る軽さだと、ネジを最大まで緩めても止まりません。

軽量な23〜24インチのモニターを検討している人は、耐荷重の下限値が書かれているかを先に見てください。上の6本では、下限が 1kg / 1kg / 3kg と書かれた製品が3本、下限の記載が無い製品が3本でした。とくにグリーンハウスのGH-AMCD01は3kg〜7kgという幅の狭い指定で、軽いモニターだと下限に当たる可能性があります。

VESAは背面のネジ穴の間隔で、75×75mm と 100×100mm が主流です。モニターの仕様表に書かれています。穴が4つ空いていれば、定規で穴と穴の中心間を測っても判定できます。規格が合わない場合は変換プレートで対応できることが多いので、ここは3つの数字の中では一番詰まりにくい項目です。

調べた結果判定合わない場合の対処
重量が耐荷重の範囲内そのまま付く—
重量が上限を超える付けても下がる。別の製品を選ぶ耐荷重の大きいモデルへ。ガススプリング式より機械式のほうが上限が高い傾向
重量が下限を下回るアームが勝手に上がるガス圧調整ネジを緩める。最大まで緩めても止まらないなら下限のより低い製品へ
耐荷重の下限が書かれていない判定できない下限を明記している製品に絞る
VESA 75/100 が合わない変換で対応できる変換プレートを併用する
VESA穴が無いクランプ式アダプタが要る挟み込み型のVESAアダプタ。モニターの形状によっては付かない

判定表: 3つの数字と、足りなかったときの対処

😟 こんなお悩みはありませんか?

  • 天板が薄すぎてクランプが締まらない
  • 天板裏の奥行きが足りずクランプの腕が入らない
  • 幕板や引き出しが天板の直下にある
  • モニターが軽すぎてアームが上がってしまう
  • 天板がガラス・薄い化粧板でたわみそう

✅ この記事で解決できます!

  • 当て木で厚みを足す。天板と同じ幅の板を挟んで規定の厚みに近づける
  • 当て木を天板の裏に足して、クランプが噛む面を手前に作る
  • グロメット式(配線孔に通す方式)へ変更するか、幕板と同じ厚みのブロックで隙間を埋める
  • ガス圧調整ネジを緩める。届かなければ耐荷重の下限がより低い製品に変える
  • 補強プレートを挟む。ガラス天板はクランプ非対応の場合が多いので製品仕様を確認

対処の中身をもう少し具体的に書きます。

当て木。同じ「当て木」でも、足りないものが厚みなのか奥行きなのかで、当てる場所も板の形も変わります。

  • 厚みが足りないとき … 天板の上下から挟まれる面に板を足して、クランプの対応範囲まで持ち上げます。16mmの天板に厚み10mmの板を足せば26mmになり、下限20mmの製品も対象に入ります。必要なのは厚みなので、板は天板の縁に沿う細長い形で足ります
  • 奥行きが足りない・幕板があるとき … 天板の裏側に板を足して、クランプの下側の腕が噛める平らな面を手前に作ります。幕板がある机なら、幕板と同じ厚みのブロックを幕板の横に並べて面をつなげるのが確実です。必要なのは面積なので、細い板1本では足りません

どちらも100円ショップの板材やホームセンターの端材で足ります。

補強プレート。薄い天板やたわみやすい天板の保護に使う専用品で、クランプの圧力を面で分散させます。サンワサプライのCR-LAPLT1で大 W200×D150×厚み2.5mm・実売3千円前後、対応天板厚の記載は無しでした。厚みが2.5mmなので、これを挟んでもクランプの対応範囲を大きく食うことはありません。アーム側の対応天板厚で判断してください。

グロメット式への変更。天板に空いている配線孔を使って固定する方式です。クランプが使えない厚天板や、幕板で挟めない机ではこちらが現実的な解になります。ただし穴が必要で、無ければ自分で開けることになります。

ポール型・スタンド型への変更。天板に固定しない置き型です。机側の条件をほぼ問わない代わりに、机の面積を使ってしまうので、アームを導入する目的(奥行きを空ける)とは半分ずれます。

対処では無理な条件

正直に書いておくと、次のケースは工夫では解決しません。

  • ガラス天板 — 製品仕様でガラス天板への対応可否を必ず確認してください。非対応の製品に無理に締めると割れます
  • 天板が壁に固定されていて裏へ手が入らない — 測ることも締めることもできません
  • 耐荷重が明記されていない机 — 特に組み立て式の安価なデスクは、天板がアームとモニターの重さに耐える保証がありません
  • 天板の直下いっぱいに引き出しがあり、動かせない — グロメット孔が無ければ打つ手がありません

このどれかに当たったなら、アームではなくモニターの位置そのものを変える(壁掛け、別の台を用意する)ほうが早いです。

買うときに商品ページで見る3項目

測り終わったら、商品ページで見る場所も3つだけです。

スペック表で確認する3項目

01

対応天板厚

①で測った数字が範囲に入っているか。上限も下限も見る

02

必要な設置スペース

②で測った奥行きで足りるか。記載が無い製品は問い合わせるか避ける

03

耐荷重(上限と下限)

③で調べた重量が範囲内か。下限の記載がある製品のほうが安心できる

この3項目がスペック表に書かれているかどうか自体が、製品を選ぶ基準になります。冒頭で6製品を並べたとおり、耐荷重の下限は6本中3本、対応天板厚は6本中1本、必要な奥行きは6本中1本が「記載なし」でした。書いてある製品を選べば、今回測った数字がそのまま判定に使えます。

もうひとつ、メーカーの比較一覧表は当てにならないという発見もありました。グリーンハウスのモニターアーム比較一覧には約40製品が並んでいますが、載っているのは耐荷重と対応インチだけで、対応天板厚も必要な奥行きも入っていません。この2つは製品ごとの個別ページを開かないと出てきません。一覧で絞り込んでから、候補それぞれの個別ページで天板の条件を確認するという順番になります。

モニターアームを専門に扱っている店なら、この手の数字がスペック表に揃っている確率が高くなります。

台座がなくなって空いた奥行きには、マイクアームを置く人が多いはずです。取り付けの条件がモニターアームとほぼ同じ(天板の厚み・奥行き・クランプ)なので、両方をまとめて考えるならマイクアームとポップガードの選び方も一緒に読んでおくと二度手間になりません。

よくある質問

結局、どういうときに付かないのですか?

3つのどれかです。① 天板が薄すぎる(対応下限を下回る。6製品の下限は10/15/20/30mm)、② 天板が厚すぎる(上限は50〜100mm。120mmの天板はどの製品にも入らない)、③ 天板裏の奥行きが足りない(必要なのは38〜110mmで、製品によって約3倍の開きがある)。耐荷重は4つ目の条件ですが、これは「付かない」ではなく「付くが下がる・勝手に上がる」という形で出ます。

机の奥行きが60cmありますが、それでも付かないことはありますか?

あります。机の奥行きと、クランプに必要な「天板裏の奥行き」は別の数字です。奥行き70cmの机でも、天板の裏の手前側に幕板が渡っていれば、クランプの入る空間は数cmしかありません。測るのは机の裏側です。

当て木を挟んだ場合、強度は落ちますか?

挟む板の材質と面の作り方しだいです。天板と同じ幅の平らな板を隙間なく当てられていれば、クランプは面で圧力を受けるので実用的に問題ないことが多いです。逆に、小さな木片を1点だけ噛ませるような付け方は、その一点に力が集中するので避けてください。

VESA規格が合わない場合はどうしますか?

変換プレートを使います。75mm用のアームに100mmのモニターを付ける、またはその逆に対応する製品が売られています。VESA穴そのものが無いモニターの場合は、両サイドから挟み込むタイプのアダプタが必要になり、対応の可否がモニターの形状に左右されます。

モニターが軽すぎてアームが上がるのは故障ですか?

故障ではありません。ガススプリングの力がモニターの重さを上回っている状態です。多くの製品にガス圧を調整するネジがあるので、半回転ずつ緩めて様子を見てください。最大まで緩めても止まらない場合は、そのモニターがそのアームの耐荷重の下限を下回っています。

補強プレートは必ず要りますか?

要りません。天板が15mm以上あって、しっかりした素材(集成材や合板)なら、無くても問題ないケースがほとんどです。薄い天板、化粧板の下が空洞になっている天板、たわみが気になる机で検討してください。プレート自体の厚みは薄く(サンワサプライCR-LAPLT1で2.5mm)、これを挟んだせいでクランプが締まらなくなる、という心配はほぼ不要です。

ゲーミングデスクの天板は薄いのですか?

スペック表で見るかぎり、薄い側に寄っています。サンワダイレクトのゲーミングデスク100-DESKG002が1.8cm、シンプルデスク100-DESKF004が16mm。一方、Bauhutteのゲーミングデスク BHD-1200HD は2.5cm、ステーブル・テーブル BHD-ST も2.5cmでした。同じ「ゲーミングデスク」でも16mmと25mmが混在します。アームを前提にするなら、机側のスペック表に天板厚が書かれているかも先に見てください(Bauhutteのローデスク BHD-700L/1000L/1200L のように、天板厚の記載が無い製品もあります)。