配信者のPCがプレイ中に落ち、その後起動しなくなった——という話が広まりました。ただ、ゲームがPCを壊したという説明は正確ではありません。 実際に起きたのは、もともと不具合を抱えていたCPUが、負荷の高いゲームで先に音を上げたということです。
だから確認すべきはゲーム側ではなく自分のPC側で、見る場所は6か所しかありません。
何が起きていたのか
Intelは第13世代・第14世代のデスクトップ向けCPUについて、マイクロコードのアルゴリズムが過剰な電圧を要求し、それが不安定化と劣化を招くと説明しています。対策のマイクロコードは複数回配布されました(0x125 / 0x129 / 0x12B / 0x12F)。
ここに重要な条件が2つあります。
- 配布はBIOS更新経由です。Windows Updateでは降ってきません
- 対策は予防であって、すでに進んだ劣化は元に戻りません
モンハンワイルズは要求の高いタイトルです。SSDが必須で、推奨環境でも「中設定・1080p・60fps(フレーム生成使用)」という記載になっています。この負荷が、潜在的な不具合を表に出す引き金になったという順序です。
自分の環境が危ないかを判定する6項目
上から順に見ます。1つでも「危険」に当たったら、その行の対処を先に済ませてください。
| 確認項目 | 確認方法 | 危険と判断する条件 | 対処 |
|---|---|---|---|
| ① CPUの世代 | Ctrl + Shift + Esc → パフォーマンス → CPU の右上に型番が出る | Intel Core i5/i7/i9 の 13xxx または 14xxx(デスクトップ向け) | ②へ進む。該当しないなら③から見る |
| ② BIOSの更新状況 | メーカーのサポートページで最新BIOSの日付を確認。現在のバージョンはBIOS画面かシステム情報で見る | BIOSが2024年9月より前のまま | マザーボード/PCメーカー配布の最新BIOSへ更新。Windows Updateでは更新されない |
| ③ 電源ユニットの容量と使用年数 | 本体側面か電源のラベルでW数を確認 | GPUの推奨電源に対して余裕がない / 5年以上使用していて高負荷時に落ちる | 容量に余裕のある電源へ交換。落ちる症状はここが原因のことが多い |
| ④ 高負荷時の温度 | ゲーム中にタスクマネージャー → パフォーマンス、またはGPUソフトのオーバーレイで確認 | GPU温度が90℃前後に張り付く / CPUがサーマルスロットリングを起こす | 内部の清掃とエアフローの見直し。フレームレート上限を設定して負荷を下げる |
| ⑤ 電圧まわりの設定 | BIOSでCPU Core Voltage、Load Line Calibration、OC関連の項目を確認 | 手動で電圧を盛っている / BIOSの既定が過電圧のプロファイル | BIOSの設定を既定へ戻す。Intel既定の電力プロファイルがあればそれを選ぶ |
| ⑥ 症状の出方 | いつ落ちるかを記録する(このゲームだけか、他でも落ちるか、アイドルでも不安定か) | 他のゲームでも落ちる / アイドル中も不安定 | PC側の問題。①〜⑤を先に。このゲームだけならゲーム設定側の調整で足りる |
出典は、必要環境がSteamストアページの記載、CPUの不具合と対策マイクロコードがIntelの公表内容です。
⑥が最も見落とされます。 落ちるのがこのゲームだけなら、それはPCの故障ではなく設定の問題である可能性が高くなります。
判定を間違えやすい4つ
ノートPCは対象が違う
今回の件はデスクトップ向けCPUの話です。ノートPCで落ちる場合は、まず冷却と電源プランを疑うほうが当たります
BIOS更新は自動ではない
Windows Updateでは配られません。メーカーのサポートページから自分で当てる必要があります
対策しても元には戻らない
すでに劣化が進んだCPUは、マイクロコードを当てても回復しません。安定しないなら交換の判断になります
GPUだけ替えても解決しない
原因がCPUや電源にある場合、GPUを新しくしても症状は続きます。順序を守るほうが安上がりです
該当したときに、まずやること
BIOSの更新が最優先です。 費用がかからず、進行中の劣化を止める唯一の手段だからです。メーカーのサポートページで、自分の型番のBIOS一覧を開き、2024年9月以降に出ているものへ更新します。
更新しても症状が続く場合、劣化が進んでいる可能性があります。Intelは対象CPUの保証について案内を出しているので、購入元とIntelの窓口を確認してください。 ここは個体差があり、記事で断定できる部分ではありません。
電源が原因のケースも同じくらいあります。高負荷の瞬間に落ちて、再起動すると普通に動くという症状は、電源容量かへたりを最初に疑います。
それでも不安が残る場合の選択肢
買い替えを結論にする必要はありません。 BIOS更新と電源の見直しで安定するケースが多数派です。そのうえで、CPUの劣化が疑わしく、長く不安を抱えたくないという判断もあります。
保証つきの中古で繋ぐ選択肢が現実的です。世代を1つ落としても、モンハンワイルズの推奨環境(RTX 2060 Super / RX 6600クラス)は満たせます。
新しく組み直すなら、遊びたいタイトルの推奨環境から逆算します。予算から入ると、必要のない部分に費用が乗ります。
モンハンワイルズ側でできる負荷の下げ方
PC側が健全でも、このタイトルは重い部類です。設定で下げられる余地は大きいので、判定と並行して調整します。
- フレーム生成: 推奨環境の「1080p/60fps」はフレーム生成を使う前提です。オフのままだと推奨環境でも届きません
- アップスケール: 最低環境の「1080p/30fps」はネイティブ720pからのアップスケールが前提です
- VRAM: 最低でもVRAM 6GB(GTX 1660)、推奨は8GBです。テクスチャ設定はここで頭打ちになります
- SSDが必須: HDDでは動作対象外です。DirectStorage対応なので、ストレージが遅いと読み込みが伸びます
Game Guide Scout の結論
- 落ちるのがこのゲームだけ → PCの故障ではありません。設定(フレーム生成・アップスケール・VRAM)を先に見ます
- CPUが13/14世代でBIOSが古い → 最優先でBIOS更新。無料で、いま止められる唯一の対策です
- 高負荷の瞬間だけ落ちる → 電源を疑います。GPU交換より先です
- 他のゲームでもアイドルでも不安定 → 劣化が疑われます。保証の窓口を確認してから買い替えを検討します
よくある質問
モンハンワイルズを遊ぶとPCが壊れますか? ゲームが直接壊すわけではありません。負荷が高いため、CPUや電源に既にある問題が表面化しやすいタイトルではあります。
AMDのCPUでも同じ問題がありますか? 今回の電圧起因の劣化は、Intelの第13/14世代デスクトップ向けCPUについて公表されたものです。AMD環境で落ちる場合は、電源・冷却・メモリ設定を先に確認してください。
BIOS更新は難しいですか? 最近のマザーボードはUEFI上から更新できるものが増えています。更新中の電源断だけは避けてください。手順はメーカーのサポートページに型番ごとに載っています。
すでに一度落ちたPCは、もう危ないですか? 一度の停止で判断はできません。落ちた状況(高負荷時のみか、アイドルでもか)を記録して、上の表の⑥で切り分けてください。