「スレスパの次」を探して検索すると、◯選記事がいくつも出てきます。そのどれもが、書き手の主観で並べたものです。Slay the Spire・Balatro・Inscryption を並べて「面白い」と書いてある。それは分かっているので、次の1本が決まりません。
この記事は根拠を変えます。Steamが公開している世界実績の解除率を、8本すべてで実測しました。買った人のうち何%がどこまで到達したかの実数です。
ただし先に断っておきます。この数字は単純な横比較ができません。その理由も含めて書きます。
実測して分かった、この手法の限界
当サイトはローグライクを易しい順に並べた記事で同じ手法を使いました。今回それをデッキ構築型に当てはめたところ、前回より作品間のばらつきが大きく、そのまま並べると誤解を招くことが分かりました。
理由は3つあります。
実績解除率をそのまま比較できない理由
実績の数が違いすぎる
Vault of the Void は251個、Griftlands は13個。実績が多い作品は1つあたりの解除率が下がるので、中央値で比べると不利になります
測っている地点が違う
「最初のボスを倒した」と「ラスボスを倒した」では意味が違います。実績名から判別できない作品もあります
分母に未起動の所有者を含む
セールやバンドルで買って一度も起動していない人も分母に入ります。どの作品も実際より低く出ます
そこで、作品ごとに定義が揺れない1つの数字に絞りました。「最も多くの人が解除した実績の割合」です。これは各作品で「ほぼ全員が通る最初の地点」に相当し、買った人のうちどれだけが実際に遊び始めたかを表します。
まず一覧:8本を定価の安い順に
| タイトル | 定価 | いまの価格 | 最も多くの人が取った実績 | 初回クリア相当 | 難易度の調整 | 日本語 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Dicey Dungeons | ¥1,700 | ¥1,700 | 69.4% | 実績名から判別不可 | — | ○ |
| Balatro | ¥1,700 | ¥1,700 | 89.9% | 実績名から判別不可 | — | ○ |
| Vault of the Void | ¥1,840 | ¥1,840 | 83.3% | ラスボス撃破(通常) 57.3% | — | ○ |
| Griftlands | ¥2,000 | ¥2,000 | 4.5% | 実績名から判別不可 | — | ○ |
| Inscryption | ¥2,050 | ¥2,050 | 93.4% | 実績名から判別不可 | — | ○ |
| Peglin | ¥2,300 | ¥2,300 | 89.6% | 最初のボス撃破 83.9% | — | ○ |
| Wildfrost | ¥2,500 | ¥2,500 | 84.7% | 実績名から判別不可 | — | ○ |
| Across the Obelisk | ¥2,690 | ¥2,690 | 82.0% | 最初のボス撃破 74.9% | — | ○ |
| (基準) Slay the Spire | ¥2,800 | ¥700(75%オフ) | 85.1% | 初回クリア 66.5% | — | ○ |
価格は2026年9月8日にSteam日本ストアで再確認したものです。実績解除率はSteam公式APIの値で、2026年8月24日時点のものを据え置いています。
★並び順は定価にしました。セール価格で並べると割引が変わるたびに順番が崩れるためです。この日に割引が入っていたのは、比較の基準に置いている Slay the Spire だけでした。
8本すべてで「難易度の調整」に対応していませんでした。デッキ構築型は、設定で楽にする発想が無いジャンルだと分かります。
この表で最も目を引くのは Griftlands の4.5%です。次の節で扱います。
Griftlands の4.5%をどう読むか
他の7本が69〜93%なのに対し、Griftlands だけ最高解除率が4.5%です。桁が違います。
当サイトは、これを「面白くない証拠」とは読みません。レビューは13,422件のうち好評12,587件で「非常に好評」です。評価そのものは高い作品です。
考えられるのは、実績が全て隠し要素・高難度条件として設計されている可能性、あるいは実績の実装時期が遅く多くのプレイヤーが通過済みだった可能性です。公開情報からどちらとも断定できません。
この1本があることで、実績解除率という指標の限界がはっきりします。数字が一次情報であることと、その数字が比較可能であることは別問題です。
初回クリア相当が判別できた3本
実績名からクリアの地点を特定できたのは、8本中3本でした。
Peglin(定価¥2,300) は最初のボスを83.9%が撃破しています。8本で最も入口が広い部類です。玉を落とすだけなので、ルールの説明が最も短く済みます。
Vault of the Void(定価¥1,840) は通常難易度のラスボスを57.3%が撃破。『Slay the Spire』の初回クリア66.5%より低く、歯ごたえは上と読めます。ただし戦闘中にカードを入れ替えられる設計で、引き運で負ける場面は少なめです。
Across the Obelisk(定価¥2,690) は最初のボスを74.9%が撃破。4人パーティーを同時に動かす作りで覚えることが多く、この8本では最も重い部類です。デッキ構築型で唯一オンライン協力に対応しています。
残り5本
Dicey Dungeons(定価¥1,700) は、カードではなくサイコロで手札が決まる置き換えが特徴です。★2026年8月下旬は80%オフの¥340でしたが、その割引は終了しています(2026年9月8日確認)。
Balatro(定価¥1,700) はポーカーの役を作って点を稼ぎます。最高解除率89.9%で、買った人のほぼ全員が遊び始めています。ポーカーの役さえ知っていれば説明が要らない点が効いています。
Inscryption(定価¥2,050) は最高解除率93.4%で8本の最高値。レビューも13万件超で「圧倒的に好評」です。ただし何が起きるかを知らずに始めるべき作品なので、この記事でも中身は書きません。
Wildfrost(定価¥2,500) はカードに行動までのカウントが付いており、順番の組み替えが戦略になります。絵柄はかわいいのですが難易度は高めという評価が多い作品です。
Game Guide Scout の結論
最初に試すなら、いまは比較の基準に置いた Slay the Spire(定価¥2,800・2026年9月8日時点で75%オフの¥700)です。このジャンルの原型にあたる作品が、8本のどれよりも安く買える状態になっています。デッキ構築型が自分に合うかを確かめるには、まずここで足ります。
★以前この節では「Dicey Dungeons(¥340)を最初に」と書いていましたが、その80%オフは終了して定価¥1,700に戻りました。割引を理由にした推薦は、割引が終わると理由ごと消えます。割引は入れ替わるので、購入前にストアページで現在の価格を確認してください。
Slay the Spire の「引きが悪くて負けた」が不満だったなら、Vault of the Void(定価¥1,840)です。戦闘中にカードを入れ替えられる設計は、その不満に正面から答えています。初回クリア率57.3%とスレスパより低いので、歯ごたえも落ちません。
ルールを覚え直すのが面倒なら Balatro(定価¥1,700)です。ポーカーの役という既に知っている土台の上に乗っているので、説明を読む時間がほぼ要りません。最高解除率89.9%という数字も、入口の広さを裏づけています。
友達と遊びたいなら Across the Obelisk(定価¥2,690)一択です。8本でオンライン協力に対応しているのはこの作品だけでした。
よくある質問
実績解除率は難易度の指標になりますか?
そのままでは使えません。実績の数が作品ごとに違い(251個から13個まで)、測っている地点も揃っていません。分母にはセールで買って起動していない人も含まれます。この記事では「最も多くの人が取った実績の割合」に絞ることで、定義の揺れを減らしています。
Griftlands の4.5%はどういう意味ですか?
判断できません。実績が全て隠し要素や高難度条件として設計されている可能性、実装時期が遅かった可能性などが考えられますが、公開情報からは特定できません。レビューは「非常に好評」なので、作品の評価が低いわけではありません。
難易度を下げられる作品はありますか?
8本ともありません。Steamの機能一覧で「難易度の調整」に対応している作品は1本もありませんでした。デッキ構築型は設定で楽にする発想を持たないジャンルのようです。
日本語に対応していますか?
8本すべて対応しています。いずれもテキストのみです。なお候補にあった Monster Train は日本語非対応だったため、この記事からは外しました。
いちばん安く試せるのはどれですか?
2026年9月8日時点では、比較の基準に置いた Slay the Spire の¥700(75%オフ・定価¥2,800)が最も安くなっています。8本のほうは全部が定価で、最も安いのが Dicey Dungeons と Balatro の¥1,700です。
★この記事は8月24日時点で「Dicey Dungeons が¥340(80%オフ)で最安」と書いていましたが、その割引は終了しています。セール価格は数週間で入れ替わるので、購入前に必ずストアページで確認してください。
協力プレイできる作品はありますか?
Across the Obelisk(定価¥2,690)の1本だけです。4人パーティーを分担して、最大4人のオンライン協力で遊べます。残る7本はシングルプレイ専用です。












